VERTUの最新限定モデル「Ascent Ferrari GT」に触れてきた!
2010年11月 1日
(これまでの 木暮祐一の「ケータイ開国論II」はこちら)
超高級ケータイブランド「VERTU」の店舗に、初めて足を踏み入れる機会をいただいた。もちろん、VERTUを購入してきたわけではないのだが(私などが購入できるわけがない)、いつかは所持してみたいと思わせるだけのステイタス感に憧れを感じさせられた。
VERTUは、日本では銀座に旗艦店があり、日本橋三越と渋谷西武にも店舗を出している。日本への出店は後発で、もともと世界では2001年ごろから順次世界主要都市の高級ブティックが並ぶところに出店していた。ちなみに中国でも、私の知る限り20店舗以上が主要都市の百貨店に出店している。日本の店舗は、VERTUの高級感を一層高めるためでもあるのだろうが、一般庶民にはとても店の扉を開けることをためらう雰囲気が漂っているので(笑)、これまでは中国に取材に出かけた際などに、現地でVERTUをショーウィンドウ越しに堪能させていただいていた。
銀座にある旗艦店は、銀座の中心である銀座四丁目交差点のすぐそば。いつも気になって店舗の中を覗いてみるものの冷やかしで入る勇気もなく、これまで入店したことがなかった。しかし、たまたまとあるメディアで取材させていただく機会を得て、初めて店舗に入り、詳しく話を伺う機会を得ることができた。店舗の1Fがショールームになっているのは知っていたが、さらに2Fには予約制の商談ラウンジがあり、赤い絨毯が敷き詰められたそのスペースにも入ることができた。
1Fにも目玉が飛び出すような価格(数十万円から百万円超え)の端末やアクセサリーが並んでいるが、2Fにはさらに高価なモデルが、鍵付きの荘厳なショーケースの中に並んでいた。ちなみに、この日にショーケース越しに拝むことができた最高級のVERTUは、シグネチャーシリーズのイエローゴールドベースで表面にダイヤをちりばめたモデル。価格は865万円也。夢のまた夢のような端末だ。
その後、いくつか実機に触らせていただいたが、なんと10月29日に発表されたばかりのアセント・ティー・アイシリーズの限定モデル「Ascent Ferrari GT」にも触れることができた。アセント・ティー・アイシリーズには、これまでいくつかの限定モデルが存在し、ボディカラーや、背面にあしらわれる皮素材、端末表面の仕上げ素材などにバリエーションが多数存在した。この「Ascent Ferrari GT」は、フェラーリ458イタリアのV8エンジンをモチーフとし、端末のサイド部分にエンジンヘッドカバーのデザインをあしらっているのが特徴。V8エンジンのデザインをそのまま模しており、フェラーリのエンジンカバーと同じワークショップで、同じ製法を用いて塗装しているという。着信音も458のエンジン音らしいが、フェラーリ458自体に乗ったことがないので、私などでは聞き比べても分からない。全世界2011台限定で、背面には何代目の端末なのかのシリアル番号も刻印される。価格は110万円。11月5日より販売開始される。
VERTUについて、色々と話を伺った中で驚いたのは、ちゃんと日本向け日本語モデルでは、端末のメニュー構成なども専用にカスタマイズされていること。すなわちメニューボタンを押した後に表示されるアイコンの構成や配置が、日本で一般的に市販されているメニュー構成に似せたものにし、初めてVERTUを使うユーザーでも戸惑わないよう配慮しているとのこと。1台1台が手作りなVERTUだから、この程度のカスタマイズはたいしたことはないのだろうが、ローカライズにもしっかり気を遣っていることには感心した。また、日本モデルでは、メールの絵文字にも対応している。絵文字のアイコンを見てみると、たとえば自動車のアイコンが某高級外車風だったりと、絵文字にも気品に溢れているのが楽しい(メールで送った相手にこれが見られるわけではないのだが)。ちなみにケータイメールアドレスは「@vertuclub.ne.jp」となる。
昨今、スマートフォンが急速に市場を拡大している。スマートフォンの普及によって、各種コンテンツやアプリケーションを利用する利便性や楽しさを改めて実感した人も多いはず。日本では1999年に誕生したiモード以降、ケータイの画面の中で様々な情報を閲覧したり、あるいはチケットを予約したり、購入することが可能である。こうしたコンテンツサービスが、よりPCに近づいたスマートフォンでは、一層便利に使いこなせる。
しかし、VERTUを使うユーザー層は、本来自らケータイなどを持たない、あるいは持つにしても、要望は傍らの秘書が何でも聞いてくれる、そういう身分の方々が主となるはず。そういった方々が、ケータイの画面に向かってチマチマとボタンを操作している姿はどうも似合わない。というわけで、VERTUの究極のコンテンツサービスというのが、生身のオペレータがオーナーのわがままを聞いてくれる「コンシェルジュ」サービスである。端末サイドにあるボタンをワンプッシュすると、コンシェルジュのオペレータにつながり、「ホテルの予約をして欲しい」「ジェット機をチャーターしてほしい」といった端末オーナーの要望に対処してくれるのだ。なんだかこう考えてみると、画面操作で何でもできることを目指しているスマートフォンに対し、VERTUは対極に位置するケータイのようで何とも面白い。
ちなみに、こっそりVERTUの方に聞いた話だが、日本におけるVERTUオーナーのほとんどが東京都在住、さらにそのうち9割近くが港区在住だそうだ。
VERTUはNTTドコモのネットワークを使ったMVNOとして、独自の通信サービス(VERTU CLUB)を展開する。正式なサービススタートは2011年4月だそうだ。月額基本使用料は当初は52,500円とされていたが、39,900円に変更されている。さらに、コンシェルジュサービス等が無いライトプラン15,750円というプランも。さらに今ならキャンペーン中で、端末を購入すれば1年間は基本使用料が無料になる「VERTU Club ウェルカムプラン」も展開中。もちろん端末はSIMフリーなので、さらにリーズナブルに利用したければ、端末だけ購入してソフトバンクモバイルの回線で利用することも可能だ(笑)。ただし、この場合は通話とSMSぐらいしか利用できない。
木暮祐一の「ケータイ開国論II」
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