ポスト・検索エンジン時代(1) 検索エンジン万能時代
2007年11月 2日
「検索エンジン万能時代」ということがよく言われますが、実情は本当にそうでしょうか。確かに、検索エンジンによって、検索できないキーワードはないような気がします。
ですが、それは検索する側がそもそも「これだったら検索エンジンは答えてくれるだろう」とか「ふと疑問に思ったけど、これには答えてくれないな」というのをすでに期待として持ってしまっているからではないでしょうか。
つまり、検索できなさそうな言葉は、はじめから入力しないからこそ、検索できないキーワードがないという気がするだけだということです。
もし今後、検索エンジンが「何かおもしろいことはないか」という漠然とした質問にさえ答えてくれるようになれば、それこそ本当の意味で「検索エンジン万能時代」がやってくるのだとぼくは思います。
大向一輝(国立情報学研究所) 1977年京都市生まれ。同志社大学工学部卒業。総合研究大学院大学複合科学研究科博士課程修了。現在は国立情報学研究所助教、総合研究大学院大学助教を併任。博士(情報学)。2003年度情報処理推進機構「未踏ソフトウェア創造事業」スーパークリエータに認定。2004年大学院在学中に有限会社グルコースを設立。研究とソフトウェア開発の両面からウェブに関わる。著書に、『ウェブがわかる本』(岩波ジュニア新書、2007年)がある。 |
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