参加型メディア論(4) メディアの面積を超えて
2007年12月29日
私が投稿雑誌『ポンプ』の編集長をしていた頃は、最大で1000通しか載せられないところに、毎日200通の投稿が来ていました。そうすると、必然的にボツがでてしまいます。
その時に「メディアには面積がある」ということを痛感しました。ページを多くして冊子を厚くしても、紙のメディアでは載せられる情報には限りがあるということに気づいたのです。
載せたいのに載られない。そのジレンマを克服するためにはどうしたらいいのかと考えた答えのひとつが、コンピュータでした。コンピュータを使えば、例えば、ボツのない投稿雑誌のようなものがつくれるだろうと考えたわけです。「無限のメディアの面積」がデジタルの世界に見えたんですね。
事実、今の「2ちゃんねる」や様々なブログをみているとその時に感じたことが現実になっているように思います。
橘川幸夫(株式会社デジタルメディア研究所、株式会社オンブック、教育CSR会議 代表) 1950年2月4日、東京生まれ。72年、渋谷陽一らと音楽投稿雑誌「ロッキング・オン」創刊。78年、全面投稿雑誌「ポンプ」を創刊。その後、さまざまなメディアを開発する。83年、定性調査を定量的に処理する「気分調査法」を開発。商品開発、市場調査などのマーケティング調査活動を行う。80年代後半より草の根BBSを主催、ニフティの「FMEDIA」のシスオペを勤める。96年、株式会社デジタルメディア研究所を創業。2004年、オンデマンド出版事業を行う株式会社オンブックを創業。06年、全国の公立小中学校の教育コンテンツを提供するオンデマンド型教育コンテンツ・プラットホーム(ODECO)をスタート。その他、インターネット・メディア開発、企業コンサルテーションなどを行う。原稿執筆、講演など多数。 <web> |
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