参加型メディア論(2) 参加型メディアの本質
2007年12月15日
投稿雑誌『ポンプ』の編集長を務めていて気づいたことは、すべての参加型メディアの本質はレスポンスであるということです。
あるメディアがあったとして、「ここはみんなの広場です。好きなことを発言してください」と言われても、普通の人はなにをしゃべればいいのかわからないものです。しかし、「ここにジャガイモ料理がある、これについて意見をくれ」と例を挙げるとしゃべりやすくなります。具体的ななにかに対しての反応という形であれば、非常に議論しやすいわけです。
私たちは「メディアのセルモーター」と言っているのですが、核となる人物が「例えば」とまず始めるわけです。すると、そこに対するレスポンスを多くの人が返して、議論が様々な角度や深度から行われます。
つまり、参加型メディアの本質は「オリジナル」ではなくて、「レスポンス」ということです。これは投稿雑誌であれ、インターネットであれ、全く同じことだと言えるでしょう。
バックナンバー:参加型メディア論 (1)
橘川幸夫(株式会社デジタルメディア研究所、株式会社オンブック、教育CSR会議 代表)
1950年2月4日、東京生まれ。72年、渋谷陽一らと音楽投稿雑誌「ロッキング・オン」創刊。78年、全面投稿雑誌「ポンプ」を創刊。その後、さまざまなメディアを開発する。83年、定性調査を定量的に処理する「気分調査法」を開発。商品開発、市場調査などのマーケティング調査活動を行う。80年代後半より草の根BBSを主催、ニフティの「FMEDIA」のシスオペを勤める。96年、株式会社デジタルメディア研究所を創業。2004年、オンデマンド出版事業を行う株式会社オンブックを創業。06年、全国の公立小中学校の教育コンテンツを提供するオンデマンド型教育コンテンツ・プラットホーム(ODECO)をスタート。その他、インターネット・メディア開発、企業コンサルテーションなどを行う。原稿執筆、講演など多数。 <web> |
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