このサイトは、2011年6月まで http://wiredvision.jp/ で公開されていたWIRED VISIONのコンテンツをアーカイブとして公開しているサイトです。

携帯大学 web分校

気鋭の講師陣が “最先端”を解説。1分で新たな視点が手に入る。

参加型メディア論(1)  参加型メディアのはじまり

2007年12月 9日

1970年代の後半から、『ポンプ』という投稿雑誌の創刊編集長をしていた時期があります。

投稿雑誌とは、全ページが読者からの投稿で構成された雑誌です。写真もイラストもテキストも全てが投稿です。なおかつどのテキストにも、住所・氏名が書いてある。そうすると読者同士が連絡を取り合うことができるわけです。個人情報云々がまだ言われてなかった頃です。今思うとすごい時代でした。

もちろん、それまでにも投稿でつくられている雑誌はありました。ただ、それらは作品主義だったので、芸のうまい人の作品が雑誌に載る、コンテストシステムを採用していました。

しかし、私たちは普通の人が普通のことを考えている、ということが投稿雑誌の面白さだと思っていました。だから、文章がうまいから載せるという話ではなくて、より多くの、多様な情報を『ぴあ』のように情報誌的に載せていったわけです。

この雑誌は、極論すればインターネットそのものでした。つまり「参加型メディア」という本質の部分で同じだったのです。私が知っている限り、『ポンプ』は一番最初の参加型メディアだったのではないでしょうか。

omukai.jpg 橘川幸夫(株式会社デジタルメディア研究所、株式会社オンブック、教育CSR会議 代表)

1950年2月4日、東京生まれ。72年、渋谷陽一らと音楽投稿雑誌「ロッキング・オン」創刊。78年、全面投稿雑誌「ポンプ」を創刊。その後、さまざまなメディアを開発する。83年、定性調査を定量的に処理する「気分調査法」を開発。商品開発、市場調査などのマーケティング調査活動を行う。80年代後半より草の根BBSを主催、ニフティの「FMEDIA」のシスオペを勤める。96年、株式会社デジタルメディア研究所を創業。2004年、オンデマンド出版事業を行う株式会社オンブックを創業。06年、全国の公立小中学校の教育コンテンツを提供するオンデマンド型教育コンテンツ・プラットホーム(ODECO)をスタート。その他、インターネット・メディア開発、企業コンサルテーションなどを行う。原稿執筆、講演など多数。
<著作>
『企画書』(1980/宝島社)『メディアが何をしたか?』('84/ロッキングオン社)『ナゾのヘソ島』(1988/アリス館)『一応族の反乱』(1990/日本経済新聞社)『生意気の構造』(1994/日本経済新聞社)『シフトマーケティング』(1995/ビジネス社)『21世紀企画書』(2000/晶文社)「インターネットは儲からない!」(2001/日経BP社)『暇つぶしの時代』(2003/平凡社)『やきそばパンの逆襲』(2004/河出書房新社)『風のアジテーション』(2004/角川書店)『自分探偵社』(2004/オンブック)ほか共著、編著多数 。近著は『微力の力』(2007年/エンターブレイン)

<web>
橘川幸夫の社長ブログ
http://www.onbook.jp/kit/

フィードを登録する

前の記事

次の記事

携帯大学 web分校

プロフィール

本ブログについて

ケータイ向けサイト「携帯大学」のサポートにより記事を一部掲載しています。更新は毎週金曜日です。

「携帯大学」(http://k-dai.jp)とは

あなたの知的好奇心を刺激する「ケータイで読む辞典」です。ナノテクノロジーから流行語まで、さまざまなジャンルの“最先端”を気鋭の講師陣がお届けしていきます。平日毎日更新中。利用料は無料です。

QRコード