クリエイティブになるための準備体操(3) 1.5人でキャッチボール
2007年8月17日
誰かに相談をもちかけたとき、相手のリアクションによって自分の考えがしぼんだり、膨らんだり、まったく思ってもみなかったことをひらめいたりした経験はないでしょうか。
相手の受け答え次第で自分の中から湧いてくるアイディアに大きな差が出るとなると、相談相手は選ばなければいけませんね。
ところで、一人で物事を考えることは、自分自身に相談をもちかけるようなものだと考えてもいいでしょう。
しかし、予定調和を狙わずに……つまり結果を誘導しようと考えずに、いろんな立場から自分自身にコメントを浴びせるとなると、これはなかなか難しい。
そう考えると、まずはうまい具合に合いの手を入れてくれる相手を自分の中に持つことが大事だといえそうです。
頭の中にむりやり別人格を作りあげるのではなく、いわば“1.5人”でコメントのキャッチボールをやってみるというようなことですね。
実は自分自身に向けてよいコメントをつけることは「考えること」の起点であり、みんながこうした能力を持つことが「共創」の基盤になります。
頭の体操だと思って気軽に相づちを打ちながら受け答えをしてみると、案外考えが進んだりしますよ。
講師:今泉洋 (武蔵野美術大学デザイン情報学科教授)
1951年生まれ。武蔵野美術大学建築学科卒。在学中より雑誌ライターとして音楽評論などを行い、卒業後、NHK-FMで音楽番組などを手がける。 1981年株式会社アスキーに入社。ニューヨーク駐在員、雑誌創刊企画、ハイテクラボ、海外書籍編集、パソコン通信サービス「アスキーネット」運営、インタラクティブソフト事業部などを経て1993年にコンサルタントとして独立。 家電、情報機器メーカーの研究所などで情報関連分野の研究プロジェクト、新製品開発に参画。1999年、武蔵野美術大学造形学部デザイン情報学科創設とともに着任、現在に至る。 |
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