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クリエイティブになるための準備体操(2) 「フレンドリー・ファイア」に注意せよ

2007年8月10日

一般に「小さなグループでは緊密なコミュニケーションができる」と言われます。

互いに見知った同士なら、豊かなコンテクストの上にレベルの高い対話を展開できるはずなのですが、同質性への依存が災いする場合もあります。

たとえば小グループで会議をするとき、全員が求心力のあるテーマに引っ張られているのであれば、問題ないでしょう。

しかし、迷走が始まると居心地が悪くなったり、不安になったりすることがあります。でも、この違和感から逃れようとして、「まぁいいか」と安易に合意してしまうのでは意味がありません。

逆に「親しい間柄ならでは」のところまでガードを下げて、自分でもはっきり分からないこと、おおやけにするにはためらわれるようなことをあえて口にし、ユニークな見方を引き出そうとしたほうが有意義でしょう。

微細なニュアンスの違いを手がかりに触発し合い、新たな気づきを得るためには、相手の中に無限の可能性を認めることが必要です。小集団ならではの親しみは、寛容性を保つための環境要件と考えたいところです。

安易なうなずきの交換によって発想の「フレンドリー・ファイア(同士討ち)」を招き、互いの可能性を殺してしまわないよう、十分注意しましょう。


imaizumi01.jpg 講師:今泉洋 (武蔵野美術大学デザイン情報学科教授)

1951年生まれ。武蔵野美術大学建築学科卒。在学中より雑誌ライターとして音楽評論などを行い、卒業後、NHK-FMで音楽番組などを手がける。

1981年株式会社アスキーに入社。ニューヨーク駐在員、雑誌創刊企画、ハイテクラボ、海外書籍編集、パソコン通信サービス「アスキーネット」運営、インタラクティブソフト事業部などを経て1993年にコンサルタントとして独立。

家電、情報機器メーカーの研究所などで情報関連分野の研究プロジェクト、新製品開発に参画。1999年、武蔵野美術大学造形学部デザイン情報学科創設とともに着任、現在に至る。

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