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荒川曜子の「それはWeb調査から始まった」

Web上に溢れる調査の中から着目すべきデータを読み解き、次のネットビジネスの予兆を発見してみる

米国のWireless Internet利用 一番手はノートPC、追い上げる携帯端末

2009年8月11日

(これまでの 荒川曜子の「それはWeb調査から始まった」はこちら

先月からいろいろなモバイルの高速通信サービスがリリースされていますね。モバイルWiMAXに始まって、HSPA+、WILLCOM CORE XGP(予定)…どれか使ってみたいと思いつつ絞り込めません。携帯キャリア各社のLTEは来年〜再来年くらいにはサービスインするのでしょうか?

情報ジャンキーとしてはユビキタスな高速ネット環境はパラダイスなわけですが、特に情報閲覧だけで言えば、ケータイWebだけでコト足りるシーンが多いような気もします。お外でWi-Fi、しかも高速となると半ビジネス用途が多そうですね。

そんな日本の事情と比較すると面白いのが、7月22日に米国の調査機関 Pew Internet & American Life Projectが2年ぶりに発表した米国のWireless Internet利用動向調査です。この調査によれば、現在米国におけるWireless Internetの利用率は56%です(残り20%が非ネットユーザー、24%は非ワイヤレスユーザー)。2006年(発表は2007年)の調査では、ネットユーザーにおけるWireless Internetの利用率が34%となっているので結構な拡大ということができます。

Wireless Internetの利用を端末別に見てみると、ノートPCからの利用が39%(端末所有率は47%)で最も高く、次は携帯端末(携帯電話、スマートフォン)からで32%(同85%)。このあたりは日本と様相が違いますね。ノートPC+Wi-Fiが携帯端末を上回っています。

ノート、携帯に続くのがデスクトップPCからで、利用率12%(端末所有率は64%でノート以上ケータイ以下ですね)。ゲーム機からの利用は9%(端末所有率41%!結構高いですよね?)、PDA等からは7%(同14%)、iPod等MP3プレーヤーからは5%(同45%)、そして電子書籍リーダーからが1%(同2%)です。

前述の2006年調査はネットユーザーを母数としたものなのですが、試しに端末別のWireless Internet利用率について拾ってみると、ノートPC 27.5%、携帯端末 13.5%、PDA 10.7%となります。現在、Wirelss Internetの利用率という点ではまだノートPCの数字が携帯より大きいですが、携帯の数字が伸びてきたということは言えるのではないでしょうか。

この調査、他にも米国におけるネット利用動向、携帯電話の利用動向(テキストメッセージの日常利用は43%だけどEメールは15%等々…)、Wireless利用における重要事項(1にコミュニケーション、2にネット)など参考になるデータが載っています。夏休みが退屈でしたら無線環境の相違がもたらす日米アプリケーションの特性…などを考えてみると楽しいかもしれません。まぁ、暑いですが。

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プロフィール

荒川曜子

1981年生まれ。NEC入社後、法人営業担当を経て、ICT市場調査業務を修行することに。株式会社国際社会経済研究所(旧NEC総研)での約3年間の修行を終え、再びNECで仕事をすることになりました。

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