モバイル業界の活性化に向けた「Mobile Monday」への期待
2008年9月16日
(これまでの 木暮祐一の「ケータイ開国論」はこちら)
新規加入者数の伸びの鈍化など、モバイル業界の動きが低迷気味な中で、新たなビジネスチャンスを模索すべく業界関係者による“勉強会”と銘打ったネットワークイベントが各所で立ち上がり、盛んに交流が行われている。少人数、少数精鋭を目指すものから、参加者が数百名規模になるものまで様々で、筆者も各所に顔を出しているのだが、中でも異彩を放っているのが「Mobile Monday」だ。
「Mobile Monday」は、2000年にフィンランドの首都・ヘルシンキで立ち上がったモバイル業界に特化したネットワークイベントである。月曜日の夜に定期的に開催することからその名称が付けられたが、その後「Mobile Monday」は世界65都市で開催されるようになり、わが国でも2004年9月以降定期的に開催されている。
Adobe、Google、HP、HTC、Microsoftなど世界大手企業の後援の元で開催され、世界規模で業界内の情報交換と交流を促進すべく活動をしているようだ。
何よりも特徴的なのは、「Mobile Monday」のネットワークイベントはすべて英語で進行するということ。スポンサー企業のプレゼンテーションの後、交流パーティという流れになる。「英語」というだけで引いてしまいそうだが(筆者も当初はそうだった)、逆に日本国内で海外のイベントに参加しているような雰囲気を気軽に味わえるイベントはなかなかない。
今、日本のモバイル業界に求められているのは、モバイルサービスの国際化にどう立ち向かうか、である。日本はこれまで国内で閉じたモバイルサービスで十分に成り立ってきた。海外に目を向けなくとも、そこそこ十分なユーザー数が獲得できていたため、商売が成り立ってきた。しかし、モバイルサービスのグローバル化が進展していく中で、改めて世界市場にも目を向け、日本の優秀なモバイルサービスを世界向けに展開する構想を練っていくべきであるし、あるいは世界の優秀なサービスを受け入れることも必要になってくる。「英語が苦手だから国内だけで」は、もう通用しない時代なのである。
そういう意味で、わが国のモバイル業界関係者はもっと「Mobile Monday」を活用してはいかがかと思うのである。「Mobile Monday」では、世界主要都市で開催される「Mobile Monday」と連携し、世界のモバイルビジネスのプレーヤーを東京に招致しプレゼンテーションの場を提供したり、逆に日本のプレーヤーが世界展開の足がかかりとして活用することもできるのである。
ということで、筆者も英語のリスニングの勉強を兼ねてたびたび参加している。近いところでは9月22日(月)に、東京・赤坂のカナダ大使館にて「Mobile Monday」が開催される。次回のテーマは「アメリカのモバイル事情」と題し、カナダ・Intrinsyc社のワールドワイド・ストラタジェティック・アカウント・ディベロップメント部門シニアマネージャー、ハンドル・キム氏と、アルゼンチン・Homenajear(オメナへアル)社の部長、ディエゴ・シンゲル氏のプレゼンテーションが行われるという。連休の合間だが、英語の耳慣らしに会社帰りに立ち寄ってみてはいかがだろうか。
「Mobile Monday Tokyo」
開催日: 2008年9月22日、月曜日 18:30 - 22:00 PM
会 場:カナダ大使館 地図 - GMAP
入場料:事前登録された方は1000円、または当日受付にて2000円
*登録された方には先着200名までドリンクチケット1枚が提供される
18:30 - 開場
19:00 - 挨拶
19:15 - 第一プレゼンテーション
19:30 - 第二プレゼンテーション
19:45 - Q & A
20:00 - ネットワーク
21:30 - ラストコール
22:00 - 終了
木暮祐一の「ケータイ開国論」
過去の記事
- 年末年始にも役立つ?! ケータイでメールを操る究極術、ほか2008年12月29日
- 無線通信機能も内蔵した、今時の心臓ペースメーカ事情2008年11月26日
- モバイル業界の活性化に向けた「Mobile Monday」への期待2008年9月16日
- ケータイサービスオープン化の決め手となるか? 「日本Androidの会」発足2008年9月 9日
- 19%の大学生が2台以上のケータイを所持2008年8月26日